自然言語を使った対話型ゲームFaçade

Façadeは、人工知能の技術を応用したドラマ仕立てのゲームです。画面上で自然な会話を繰り広げる二人のキャラクターに対して、ユーザがことばをキー入力すると、それが解釈されてシナリオが進んでいきます。ゲームがフリーウェアとして公開されているので、実際に試すことができます。Javaで動いているようなのですが、Mac版は手元のLionマシンで起動できませんでしたが、Windows版は動作確認できました。
http://www.interactivestory.net/download/

また、YouTubeにゲームの様子をキャプチャした動画がいくつも登録されています。

Façadeの自然言語処理に関して論文が発表されています。ユーザが入力したテキストは、ルールに基づいて談話行為に変換されます。談話行為として、賛成、感謝、謝罪、批判など20個以上が用意されています。変換ルールは、独自のテンプレート言語で記述され、エキスパートシステムCLIPSJava実装であるJessルールエンジン形式に変換されます。
Natural Language Understanding in Façade: Surface-text Processing
Michael Mateas and Andrew Stern
Best Paper Award, Technologies for Interactive Digital Storytelling and Entertainment (TIDSE), Darmstadt, Germany, June 2004

単語のマッチングにはWordNetも利用され、慣用句として言語資源に登録されていた約9,000項目の中から、ドラマゲームのドメインにあった約1,000項目が含まれているそうです。