MMDAgent-1.1をOS X Lionで動かすMacPorts

MMDAgentは、音声認識エンジンJulius音声合成システムOpen JTalkを利用したオープンソースの音声インタラクションシステム構築ツールキットです。MMD (MikuMikuDance) のモデルやモーションのデータを利用した3D描画やリップシンクが実現されていて、リアル感のあるエージェントを介して、人の話し言葉にリアルタイムで受け答えするシステムが構築できます。
http://sourceforge.net/apps/wordpress/mmdagent/
MMDAgent & Project-NAIP wiki

はじめはWindows向けに実装されていましたが、最新版の1.1はMacLinuxでも動作するようになりました。ただし、Macの場合、Carbonフレームワークを利用した32ビットの環境が対象であって、たとえばOS X Lion上ではビルドできませんでした。
マルチプラットフォーム対応に向け前進した「MMDAgent」 - ITmedia NEWS

ところが幸いなことに、Lionでのコンパイル方法を公開された方がいます。コンパイル時に32ビットアーキテクチャを指定して、HomebrewのPortAudioを使用することでビルドに成功するようです。
http://keny.b.sourceforge.jp/2011/08/17/mmdagent-macosx/

そこで、MacPortsで同様のことを実現しました。portでは依存ライブラリのvariantを指定して自動的にインストールすることができないので、32ビット版のportaudioがないときはあらかじめ手動でインストールしておきます。

$ sudo port selfupdate
$ sudo port install portaudio +universal
$ sudo port install MMDAgent
$ open /Applications/MacPorts/MMDAgent.app

このportはサンプルのスクリプトやデータも同時にインストールします。受け答えの設定は、/Applications/MacPorts/MMDAgent.app/Contents/MacOS/MMDAgent.fst に記述されています。たとえば、「こんにちは」「自己紹介」「図書館」などの単語が認識されるとエージェントのメイちゃんが応えてくれます。

Mac版MMDAgentも、Windows版同様に一連の動作がスムーズで感動的です。ただし、まだドラッグ&ドロップやログの画面表示などは未対応なようです。そのうちにCarbonフレームワークからCocoaに移行することを含めて発展していくことでしょう。